電着
226Ra 薄膜線源を調製し, 線源表面から
226Ra→a
222Rn 壊変に伴って飛び出すα反跳原子
222Rn の挙動を調べた。
226Ra 線源は, イソプロパノール溶媒からの分子電着法により行い, 回転白金陽極を用い, 印加電圧900Vで40分間電着することにより, ステンレス鋼陰極板上に均一性のよい線源を高収率で得ることができた。線源表面から飛び出る
222Rn の効率を, 真空中で捕集板上に捕集された
222Rn 量と線源上の
226Ra 強度の関係から求めたところ, 線源の表面状態に著しく左右されることが分かった。この結果, 電着線源を赤外線ランプ乾燥させた
226Ra 線源からは, 壊変ごと30%に及ぶ
222Rn の放出が生じており, 赤熱処理により2%までに減少する結果を得た。また各種捕集材表面での,
222Rn の保持率は70%以上に及んでおり, 反跳効果が Rn 放出に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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