複数核種の追跡にカラーオートラジオグラフィを用いるにあたって, その定量化のために, フィルムシンチレーションカウンターの利用を検討した。オートラジオグラフィ処理にはいる前の試料について, 非破壊的に
3Hと
14Cの放射能を同時に測定するための方法を考案した。マウス全身切片中の各器官についての測定値が, 同切片のカラーオートラジオグラフの知見を裏付ける効果が十分認められた。すなわち, マウスの腹腔内注射後,
3H-リジンは急速に腎から排泄され,
14C-メチルコラントレンは, 胃への移行と, 脳への残留性を特徴とし, リジンより長く体内にとどまっていること, また, 両化合物の併用が単独より排泄を遅らせることなどの知見を得た。
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