白色レグホーン種の2年および3年令の雌鶏に対し, tracer doseのI
131を静脈注射し, その甲状腺I
131uptake%により, 1955年7月より1956年6月に至るまで8回にわたり, 甲状腺機能を検査した。
1) 秋 (9月) の換羽期にある雌鶏は, 産卵しているものに比し, また夏の産卵鶏に比し, なんら甲状腺機能に亢進は見られない。
2) 11月になると産卵換羽鶏を問わず一斉に甲状腺機能は増大する。これはこの時期における気温の低下によるものと考えられる。
3) 1月以降, 気温の上昇につれ甲状腺機能は減退し, 4月最低となる, その後 (5~6月) 若干の上昇を示す。
4) 甲状腺機能の季節的変動には二つの亢進期があり, 1つは冬季の亢進であり, もう一つは, 夏季の亢進で, 前者の方が著しい。
5) 雌鶏における自然の換羽は必ずしも自身の甲状腺機能の亢進を必要とせず, 卵巣機能の減退により性ホルモン (estrogen) の分泌が減り, ためにこれによる換羽の抑制がとれて, 同時に羽毛の寿命がつきることによって秋季におこるものと考えられる。
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