RADIOISOTOPES
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69 巻, 6 号
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原著
資料
  • 宮地 幸久
    2020 年 69 巻 6 号 p. 199-206
    発行日: 2020/06/15
    公開日: 2020/06/15
    ジャーナル オープンアクセス

    成体動物の神経系は,一般的に放射線抵抗性であると考えられている。しかし,比較的低線量の放射線に照射された後に,さまざまな生理学的反応が起こることも知られている。ここでの 低線量域とは0.25 Gy以下の臨床症状が現れないレベルを指す。本稿では,生理学的プロセスに対する低線量照射の影響について解説した。また,100 mGy未満の安全性に関する最近の報告例も含めた。最後に生理学的分析を使用した低線量照射実験のこれからの課題について提案した。

連載講座
TRT・TATの更なる活性化に向けて
  • 李 惠子, 長谷川 純崇
    2020 年 69 巻 6 号 p. 207-212
    発行日: 2020/06/15
    公開日: 2020/06/15
    ジャーナル オープンアクセス

    標的アイソトープ治療(TRT)は細胞殺傷性の粒子放射線を放出するラジオアイソトープ(RI)を用いた治療で,癌治療の選択肢の一つとして確立している。ヨウ素131が甲状腺疾患の治療に用いられて以来,TRTは長い歴史を持つ治療法である。ヨウ素131やイットリウム90のようなβ線放出核種が主にTRTで使われてきた。放射化学や加速器工学の最近の進歩により,標的α線治療(TAT)が癌治療の選択肢として注目を集めている。α線はβ線と比較して高い細胞殺傷能を有する。また,α線は短い飛程である。この性質により,標的細胞にα線が送達された場合,周囲組織を正常に保ちながら標的細胞だけを殺傷することが出来る。TATの開発研究は盛んになりつつある。

  • 長谷川 純崇, 安康 真由香
    2020 年 69 巻 6 号 p. 213-216
    発行日: 2020/06/15
    公開日: 2020/06/15
    ジャーナル オープンアクセス

    Targeted radionuclide therapy(TRT)は一部のがんに対し有効な治療の選択肢の一つとして確立している。2000年代まではβ線による治療のみが臨床で確立した治療であったが,2010年代に入り223Raによるα線治療が臨床に登場し,α線の応用を含めた最先端のTRTやtargeted alpha therapy(TAT)の臨床応用に期待が高まっている。オージェ電子による治療は研究段階であり臨床治療は未だ確立していない。最近の臨床TRTでのトピックスや現状をレビューする。

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