福岡県下109か所で, 電離箱およびNaI (Tl) シンチレーション検出器によって, 自然放射線の測定を行った。全電離放射線成分および地殻γ線成分の吸収線量の平均値は, それぞれ76.4および40.7 nGy/hであった。電離宇宙線成分の吸収線量は, 全電離放射線および地殻γ線成分の回帰分析によって, 31.8 nGy/hと計算された。
仮に屋外逗留率を1と仮定すると, 自然放射線による福岡県民の集団実効線量当量は, 本研究のデータから2720 man・Sv/yと計算される。
地質学的な分類の点から見ると, 深成岩地帯では自然放射線がかなり高く, 火山岩地帯では低い。高線量率地帯では, 表面の土壌や岩石に
40Kや
238U,
232Th系列の核種がより高濃度で含まれている。
抄録全体を表示