RADIOISOTOPES
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60 巻, 6 号
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ノート
  • 高津 文人, 今井 章雄, 中島 泰弘, 小松 一弘, 川崎 伸之, 佐藤 貴之
    2011 年 60 巻 6 号 p. 231-240
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/29
    ジャーナル フリー
    硝酸イオンの窒素・酸素安定同位体比(δ15N,δ18O)はその高い起源推定能から海洋,湖沼,河川,地下水での物質循環の研究に用いられてきた。1990年代半ばに開発された脱窒菌法により,硝酸イオンのδ15N,δ18Oを微量で同時に測定できるようになった。脱窒菌法で多量のサンプルを短時間に精度よく測定するには前処理ライン(N2Oガスを質量分析計に導入するための前処理)が必要不可欠である。しかしながら,こうした前処理ラインの分析機器は高額(数千万円程度)である。著者らは多くの研究室に設置されている通常の固体粉末試料の同位体測定ライン(質量分析計と元素分析計がConflo IIIで連結された測定システム)を活用し,測定精度や処理速度を落とすことなく,安価に自動前処理できるラインを開発することに成功したのでここに報告する。
総説
  • 多田 司
    2011 年 60 巻 6 号 p. 241-248
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/29
    ジャーナル フリー
    素粒子物理学は,物質の根源を最も細かなレベルで解明することを目指す学問である。その素粒子物理学の概要を,できるだけ平易に3回の講座を通じて紹介する。第1回の本稿では,クォーク及びレプトンと名付けられている最も基本的な粒子を解説する。クォークは,陽子や中性子,湯川秀樹博士が予言した中間子等を形作っている素粒子であり,ニュートリノや電子,そして仁科芳雄博士の発見したミューオンはレプトンと呼ばれる。
  • 河合 潤, 中江 保一, 弘 栄介, 井田 博之
    2011 年 60 巻 6 号 p. 249-263
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/29
    ジャーナル フリー
    弱いX線なら電子ライターを用いても簡単に発生させられることを説明し,帯電によるX線発生方法の研究の歴史を総合的に解説した。関連特許の新規性についてもコメントした。焦電結晶によるX線の発生,焦電結晶の直列接続,粘着テープの剥離によるX線発生,PIXE研究との関連,焦電結晶による核融合などについて説明し,手の平に載るEPMAが自作できることや,蛍光X線分析装置が自作できることを説明した。乾電池式焦電結晶X線管の蛍光X線分析への応用例として,皮のなめし剤,朱肉,塩化ビニル,コップ,鉄鋼,塗料の例などについて説明し,前処理なしの蛍光X線分析なら180ppm,試料前処理と組み合わせれば0.1ppmまで分析できることを説明した。X線分析装置全般に現在小型化が進んでおり,数ワットの蛍光X線装置でもSPring-8に匹敵する分析感度を達成していることについても説明した。高電圧がかかっている場所が真空度の条件を満たすときには,X線が発生する危険性がある点についても言及した。
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