RADIOISOTOPES
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57 巻 , 9 号
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原著
  • 古渡 意彦, 小沼 勇, 谷村 嘉彦, 川崎 克也, 三枝 純, 吉澤 道夫
    原稿種別: 原著
    2008 年 57 巻 9 号 p. 559-569
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/29
    ジャーナル フリー
    241Am-Be中性子線源を用いる中性子校正場は,中性子線量計の校正のために一般に広く用いられている。中性子線量計を適切に校正するためには,中性子校正場に関わる個々のパラメータを正確に決定する必要があるが,その中でも,校正点における中性子フルエンス率は重要なパラメータの一つである。中性子フルエンス率は線源中心から校正点までの距離と線源強度で決定されるが,それ以外に補正項を導入する必要がある。中性子は線源内で等方的に放出されるが,線源物質や線源を封じる壁材料との散乱は不可避であり,この効果によって中性子フルエンスの角度分布に変動が生じる。これを中性子放出の非等方性と呼び,その度合いを非等方係数FI(θ)で評価する。
    著者らは,(独)日本原子力研究開発機構 東海研究開発センター 原子力科学研究所 放射線標準施設棟で運用されている保護ケース付き241Am-Be中性子線源について,高精度ロングカウンタを用いた中性子放出の角度分布測定を行い,保護ケース付き241Am-Be中性子線源からの中性子放出の非等方係数を決定した。また,手法の妥当性確認のために実施した,ロングカウンタを用いたX3型カプセル外側からの中性子放出の角度分布の測定結果と他の研究者の測定結果及びMCNPによる計算シミュレーションの結果との比較についても報告する。
  • 呉 行正, 鳥山 啓介, 針井 知明, 加藤 由雄, 谷口 哲雄
    原稿種別: 原著
    2008 年 57 巻 9 号 p. 571-577
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/29
    ジャーナル フリー
    ポリエステル繊維の難燃加工処理工程からの排出源廃水及びその工場の最終廃水中の難燃剤ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)のγ線照射,γ線照射/生物処理による分解除去を検討した。HBCD廃液のγ線照射前後のHBCD濃度,分解率,更に有機物の指標としてのTOC,COD,BOD,また分解生成物である臭化物イオンの濃度を測定した。結果として,100kGyの線量で最終廃水中のHBCDが72.5%分解除去され,またその他の有機物もほとんど分解除去され,更に生物処理と組み合わせることで,HBCDが98%分解除去されることを明らかにした。
総説
安定同位体利用技術
  • 佐野 有司
    原稿種別: 総説
    2008 年 57 巻 9 号 p. 579-591
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/29
    ジャーナル フリー
    二次元高分解能二次イオン質量分析計(NanoSIMS NS50)を用いた約5μmの空間分解能での鉛とストロンチウムの同位体測定法を開発した。これらの元素には206Pb,207Pb,87Sr等の放射性起源の核種が存在するので,天然における同位体比の変動が大きい。そのため空間分解能を上げても,測定誤差の範囲を超えた有意な同位体比の変動が見られた。モナザイトのウラン-鉛年代測定では,約4nAの酸素一次イオンビームを照射し,二次イオンを引き出してMattauch-Herzog型のイオン光学を持つシステムで質量分析した。イオン・カウンティングの多重検出器で140Ce204Pb206Pb238U16O238U16O2を同時に検出できるように配置した。試料の206Pb/238U比は年代既知の中央マダガスカル産の標準試料の206Pb/238U比と比較することで求めた。一方207Pb/206Pb比は一つの検出器により磁場スキャンで分析した。台湾で採取した砂岩から分離した44個のモナザイトの238U-206Pb年代と207Pb-206Pb年代を測定し,電子線マイクロプローブ法により求められたU-Th-Pb化学年代と比較した。その結果,十分な一致が得られた。次にNanoSIMSにより天然の炭酸カルシウム中のストロンチウム同位体比(87Sr/86Sr)を分析した。多重検出器は43Ca80Ca286Sr87Srを同時に検出するように配置した。次に第4番検出器が85Rb86Sr87Srを順番に,一方第4b検出器が同時に86Sr87Sr88Srを検出するように磁場スキャンを行った。Caダイマー,87Rb,88Sr/86Sr比より見積もったマスバイアスなどの一連の補正を行った。標準試料JCP-1の繰り返し測定の結果,87Sr/86Srは0.3‰の精度と確度で分析できた。この手法を淀川で採取されたアユの耳石に応用した。耳石の中心部のコアーは高い同位体比,外辺のリムは低い同位体比となり,湖で生まれ,川を下り海で育ち,川を遡上中に捕獲されたアユの生態に沿った同位体比の変動が得られた。
ミニレビュー
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