RADIOISOTOPES
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63 巻, 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
原著
講座
内部被ばくの評価(1)
  • 高田 千恵
    2014 年 63 巻 5 号 p. 239-247
    発行日: 2014/05/15
    公開日: 2014/05/29
    ジャーナル オープンアクセス
    内部被ばくの測定に使用される体外計測法について概説する。体外計測器は検出部,計測部,データ処理部から構成されるが,装置の使用目的によって様々な組み合わせが選択される。また,人体組織を透過してくる微量の放射線を測定対象とすることから,バックグラウンド放射線の影響の低減や弁別に十分注意し,体内放射能を評価する必要がある。また,適切な校正や点検の実施による測定品質の維持も重要である。
内部被ばくの評価(2)
  • 金 ウンジュ, 栗原 治, 大町 康
    2014 年 63 巻 5 号 p. 249-255
    発行日: 2014/05/15
    公開日: 2014/05/29
    ジャーナル オープンアクセス
    バイオアッセイ法は,被検者から採取された生体試料(主に排泄物)中に含まれる放射性核種を定量する方法であり,その結果は内部被ばく線量評価を行う上での基礎データとなる。バイオアッセイ法の利点は,体外計測法では測定が困難なα線やβ線のみを放出する核種に適用できることであり,プルトニウムを初めとしたアクチノイド核種に対しても十分な検出感度を有している。しかしながら,試料の放射線計測を行う前に必要となる前処理,化学分離等の工程に時間を要するため,緊急被ばく医療の観点からは迅速化が求められる。本稿では,アクチノイド核種を対象としたバイオアッセイ法の概要を中心に解説する。
内部被ばくの評価(3)
  • 青木 功二
    2014 年 63 巻 5 号 p. 257-261
    発行日: 2014/05/15
    公開日: 2014/05/29
    ジャーナル オープンアクセス
    法令では外部被ばくだけでなく内部被ばくについての測定も義務付けているが,内部被ばくの測定は非常に難しく,被ばく線量が非常に少ないことが予想される事業所で行うことは現実的ではない。一方で空気中放射能濃度が測定できれば,その場所にいた作業者の内部被ばくの主な原因である呼吸からの被ばく線量を算定することは可能である。本稿では空気中放射能濃度より内部被ばく線量の算定を行う方法,その信頼性,管理方法について解説する。
連載講座
メスバウアースペクトロメトリーの基礎と応用
  • 野村 貴美
    2014 年 63 巻 5 号 p. 263-278
    発行日: 2014/05/15
    公開日: 2014/05/29
    ジャーナル オープンアクセス
    手のひらサイズのミニメスバウアー分光器(MIMOS II: Miniaturized Mössbauer Spectrometer II)が自走式の火星探査機ローバー(スピリッツとオポチュニティ)に搭載され,火星において鉱物の同定に威力を発揮した。このMIMOS IIと最近改良されたMIMOS IIA及び同時に搭載された元素分析用α線励起蛍光X線分析器を紹介する。オポチュニティローバーが2004年1月に火星のメリディアニ平原に到着し,3月にはビクトリア・クレーターの岩石中に鉄ミョウバン石(ジャロサイト:(K,Na,X)Fe3(SO4)2(OH)6)を発見した。これは水酸化物イオン(OH)を含むことから火星ではかつて水が存在したことを示す初めての有力な化学的証拠になった。さらに,スピリッツローバーがコロンビア丘のクロビスの岩石で針鉄鉱(ゲータイト:α-FeOOH)を検出した。これも過去に水があったことを示す重要な証拠になっている。鉄ミョウバン石,それに関連する鉱物,たとえば三笠石やヤバパイト,並びに硫酸鉄化合物のメスバウアーパラメーターと構造と物性についても述べる。
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