イラックスフィルムに密封した納豆を氷冷下
60Co-γ線を照射し, 吸収線量0.63, 1.3, 4.5×10
6radの場合についてつぎの項目を検討した。外観, フレパー, カルボニル, TBA反応物, 遊離糖, 遊離アミノ酸, リン脂質とその脂肪酸組成。
1.3×10
5radまでは異臭はないが, 4.5×10
5radでは刺激臭があった。そしてこれはカルボニルおよびTBAの分析結果に反映しているようであった。遊離糖の量は照射により変化していなかった。しかし遊離アミノ酸では1.3×10
5radまでは変化はなかったが4.5×10
5radで増加し, メチオニン, ロイシン, チロシン, アルギニンの量はかなり増加し, リジンおよびヒスチジンの量は減少した。納豆の豆のリン脂質の種類は照射により変化していなかったが, これらの脂肪酸組成はかなり影響を受けていた。他方, 粘質物のリン脂質は照射により影響を受けており, ことに対照試料に存在していなかったポリホスファチジン酸およびホスファチジン酸と思われるものが照射試料に検出された。
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