新潟県内における自然放射線の分布状況を明らかにする目的で調査を行った。
今回は, 下越地区 (県北から県央部) および佐渡島について
in situ測定法等により空間線量率の測定を実施し, その分布状況を明らかにするとともに地面からの放射線は, ウラン系列, トリウム系列およびカリウム40による自然放射線の影響が大きいことがわかった。下越地区では, 新潟市から北部が南部より高い線量率であった。これは, 北部の地質は, 主として花崗岩またはそれに由来する堆積岩であるためである。また, 大部分の測定地点で成分別線量率は,
40K>Th系列>U系列の順であった。
さらに, 海岸砂の放射性核種濃度について測定したところ, 新潟市より北の砂の
232Thおよび
40Kが高い値であった。新潟市海岸で採取した黒色の砂は
232Thおよび
238U濃度が高い値であった。
また.地面からの自然放射線による年間線量当量も求めた。
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