Carbazochrome sodium sulfonate (AC-17) をトリチウムで標識し, これをマウスに投与後凍結法による全身オートラジオグラフィを行ない,
3H-AC-17の生体内分布を検討したところ,
3H-AC-17は中枢神経系を除く全身に分布がみられ, とくに皮膚, 肝臓, 腎臓, 結合組織および支持組織に顕著な取込みが観察された。これらの取込み部位の同定には顕微鏡下でオートラジオグラムを拡大し, これを染色した組織標本の拡大写真と照合して行なった。その結果,
3H-AC-17は静注あるいは皮下注後すみやかに全身の結合組織および支持組織へ取り込まれることがわかった。すなわち, 皮下結合織, 脊椎の骨膜, 下行大動脈の血管壁, 気管の軟骨, 筋膜および腱などに著明な放射能活性が認められた。骨格筋の活性は腱や筋間膜のような膠原性線維の活性に比してはるかに少なかった。
抄録全体を表示