液体シンチレーションカウンタは, β線放出核種の測定に広く利用されている。日本では
3H,
14C,
32P,
35S,
45Caを含む測定済み廃液のみが, 指定された焼却装置で焼却することができる。放射線安全管理および環境安全の観点から, 現状の焼却装置の性能およびRIの挙動について調べた。
3H,
14Cは, 焼却でほとんどがガス状になり粒子発生量が少ないために明確な粒径分布を求められなかった。
32Pは1μm以下の粒子が多い分布,
35Sは0.1-1μmの範囲が谷となるU字型の分布,
45Caは1μmをピークとする分布をそれぞれ示した。
3H,
14C,
32P,
35S,
45Caの排気・排水への移行率は, 2.2, 94, 27, 5.6, 33および96, 1.3, 35, 76, 34%となった。排水のpHは, 焼却中5.5, 焼却後7であった。焼却後の排水のCODは3ppm, 不溶性物質の量は5mg/L以下であった。HEPAフィルタの粒子状
32P,
35S,
45Caに対する捕集効率は, 99.95±0.02, 99.62±0.27, 99.97±0.01%となった。
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