作物体中のBr含量測定に適する常用放射化分析法を確立し, 各種作物体中の臭素を非破壊放射化分析法を用いて定量した。
問題となる元素の中性子放射化断面積, 崩壊定数, 元素含量を考慮して定量に必要とされる中性子照射時間, 冷却時間を検討した。
すなわち, 本法は50~300mgの作物試料をとって小さいポリエチレン袋に封入し, 臭素のスタンダードとともに同一カプセルに入れて, 中性子東3×10
11に
n/cm
2/secのJRR-1炉で5時間照射 (あるいはJRR-2 (8×10
13に
n/cm
2/sec) ) で5分照射した。50時間冷却したのち,
82Brの0.77MeVの7線の光電ピークの強度をマルチチャンネルアナライザーを用いて測定した。
この方法の精度は, 臭素含量の高いものでは3% (標準偏差) , 臭素含量の低いものでも20%であった。また含量の低いものでは0.15ppmの臭素含有の試料まで定量できる。
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