甲状腺の形態的検査法として, とくに結節性甲状腺腫の診断には, 甲状腺シンチグラフィが広く利用されている。しかしこれまで
99mTC-スキャンと
131I-スキャンには差のあることが報告されており, 今回, 1974年1月から1年間に両スキャンが1月以内に施行された22症例を対象に,
99mTc-スキャンと
131I-スキャンの比較を行なった。結果は, 低
131I-uptakeの症例, 術後のfollow-upには
131I-スキャンがすぐれていた。しかし, 甲状腺被曝, 簡便さ, 物理的特性から日常検査のfirst choiceとしては
99mTc-スキャンが適当と考えられた。
99mTc-不キャンと
131I-スキャンの差は甲状腺機能低下症で著しいと報告されているが, これは
131I投与量の差にようことが考えられ, さらに
99mTc-スキャンの適応と
131I-スキャンの適応について文献的考察を加え報告した。
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