RADIOISOTOPES
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66 巻, 2 号
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原著
総説
  • 三代木 伸二
    2017 年 66 巻 2 号 p. 61-75
    発行日: 2017/02/15
    公開日: 2017/02/15
    ジャーナル オープンアクセス

    2015年9月14日に,史上初めて,アメリカの重力波望遠鏡LIGOが連星ブラックホールの合体からの重力波を検出しました。これは1915年にアインシュタインの一般相対性理論で予測された重力波を直接的に検証した偉業であるとともに,ブラックホール,及び連星ブラックホールがこの宇宙に存在することの直接的証明にもなっています。さらに2015年12月26日にも連星ブラックホールの合体からの重力波の信号が発見され,このような複数の検出により,非常に強い重力場における一般相対性理論の正しさが強く示唆され,重力波による全く新しい天文学が幕を切って落とされました。しかし,この歴史的な重力波の検出に至る道のりは極めて厳しく,キロメートルの基線長を持つレーザー干渉計重力波望遠鏡のその基線長の10−22の相対変化をとらえる性能を獲得するために,実に40年を超える努力がなされ,そして,重力波初検出後の今もなお,さらなる性能向上のための極限技術の開発が継続されています。本総説では,一般相対性理論における重力と重力波,重力波の波源,重力波望遠鏡の開発の歴史と様々な雑音対策,今回の重力波検出によって判明した内容,そして,将来の重力波望遠鏡計画について紹介します。

  • 早戸 良成
    2017 年 66 巻 2 号 p. 77-91
    発行日: 2017/02/15
    公開日: 2017/02/15
    ジャーナル オープンアクセス

    非常に軽く,また,反応性も弱いため,その性質に謎が多かったニュートリノだが,1998年の大気ニュートリノ振動発見以来,質量の有無をはじめ,その性質が徐々に明らかになってきた。本稿では,これまでわかったニュートリノの性質について,ならびに,スーパーカミオカンデを中心とした近年の実験がどのようにその解明を行ってきたかについて概説する。また,いまだ残された謎についても簡単に触れる。

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