14MeV中性子による
14N (
n, 2
n)
13N反応を利用した石油製品中の窒素分析方法を検討した。中性子束の変動に基づく誤差をさけるために, 試料とフラックスモニターがまったく同一中性子束で照射される回転照射法を採用した。炭化水素試料では, 反跳陽子による
12C (
p, γ)
13N,
13C (
p, n)
13N反応 (マトリックス効果) が低濃度窒素の定量を阻害してきた。各種のマトリックス組成に対するマトリックス効果をしらべた結果, C-H系では炭素重量比 (
Wc) のみに依存し, かつ, その狭い範囲内では, 炭素重量比の一次式で示されることがわかった。この結果,
Wcが既知で窒素濃度が0.1%以上の試料では, かなりよい分析結果が得られるようになった。かなりの窒素を含み, さらに,
Wcがほとんど一定という点から考えると, 本法は重油の分析にとくに適していると思われる。
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