RADIOISOTOPES
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59 巻 , 10 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原著
  • 小林 慶規, 高塚 登志子, 鈴木 良一, 石黒 義久
    2010 年 59 巻 10 号 p. 581-586
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル オープンアクセス
    フィラメント加熱が不要な小型冷陰極X線源のエネルギー分散蛍光X線分析への適応性を元素分析用標準物質を用いて調べた。その結果,各種合金の同定,臭素系難燃剤や重金属を含むプラスチックの定量分析が可能であることが明らかとなった。冷陰極X線源を用いることにより,従来の熱フィラメントを用いた装置に比べて,エネルギー効率が高く,短時間で起動でき,更にコンパクトな蛍光X線分析装置の実現が期待される。
  • 津田 啓介, 佐々木 達也, 岩渕 勇人, 根本 幸一, 森山 紀之, 福士 政広, 藤井 博史
    2010 年 59 巻 10 号 p. 587-598
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル オープンアクセス
    最近,呼吸運動のPET画像への影響を抑制するために,息止め胸部FDG PET検査が行われる機会が増加している。しかし,患者にとって30秒間以上の息止め撮像は容易ではない。撮像時間の短縮が可能かどうかを検討するため,胸部PET画像における息止めの効果をファントムを使って実験した。180秒間の呼吸運動に摸した連続運動状態で撮像された画像を,60,90,120,150,180秒間(15秒間×4,6,8,10,12回)の各収集時間で撮像された静止画像と比較した。撮像時間の短縮により,バックグランド領域のカウントの統計変動が増悪したが,180秒間の連続運動下で撮像された画像と比較して,60,90秒間の撮像時間の静止画像は直径10mmの小さな結節を可視化できた。著者らの研究から,息止めにより,より短い撮像時間で胸部FDG PET画像上のより小さな結節が検出できることが示された。
  • 堀江 正信, 柳 真志帆, 馬場 茂雄, 加藤 結花, 吉村 共之
    2010 年 59 巻 10 号 p. 599-605
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル オープンアクセス
    14C標識薬物をトレーサとし,低バックグラウンド液体シンチレーション計数法を検出法として用いる,ヒトにおける薬物動態試験では,14C投与量(Bq/kg)が動物実験の場合に比べて著しく低いので,バックグラウンド値(BG)の変動が精度により大きな影響を及ぼす。本報では,尿5mLを試料とし,20mLバイアルを用いて,ヒトにおける尿中14C放射能の日内変動,日間変動,個人差及び計数効率の変動などを研究した。尿中には14Cに比較して約30倍量の40Kの放射能が存在するので,14Cの最適ウインドウで計数することによって40Kの影響をできるだけ小さくすることが肝要である。計数効率の変動は内部標準添加法によって校正できる。尿中内因性14C濃度におけるこれらの変動は比較的小さいので,服用前日の同じ時間帯で採取した試料をBGとして処理することによって十分に高い精度が得られることを明らかにした。
  • 亀谷 宏美, 垣田 大介, 貝森 良彦, 菊地 正博, 小林 泰彦, 鵜飼 光子, 下山 雄平
    2010 年 59 巻 10 号 p. 607-614
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル オープンアクセス
    日本では温湯浸漬処理されたマンゴーが輸入されている。近年,照射輸入マンゴーはアメリカでは広く利用されている。本研究では照射マンゴーに誘導されるラジカルのESR法による分析について報告する。γ線照射されたマンゴーの果肉及び果皮にはg=2.004に強い1本線の信号が観測された。これは有機フリーラジカル由来と考えられた。果肉及び果皮において12kGy以上の照射処理によりセルロース由来の照射誘導ラジカルが現れた。一本線信号の緩和時間(T1とT2)を計算した。T1はほぼ一定であったが,T2は線量の増加とともに変化した。T1及びT2の相乗平均を検討したところ,線量依存性が確認された。
連載講座
中性子回折の基礎と応用(応用24)
  • ステファヌス ハルヨ, 相澤 一也, 伊藤 崇芳, 有馬 寛
    2010 年 59 巻 10 号 p. 615-622
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル オープンアクセス
    工学回折とは,回折プロファイルの正確なピーク位置,ピーク広がり,ピーク積分強度等から,それぞれ,物体内の弾性ひずみ(応力),結晶粒子サイズや格子欠陥,集合組織等を定量的に求める回折法で,工学基礎及び応用研究に適用できる。透過能力の大きい中性子回折を用いれば内部のみでなく全体の平均的な上記の情報まで得られるため,強力なツールとして期待されている。J-PARCでは中性子による工学回折を行うための工学材料回折装置「匠」が建設され,2009年度末に完成した。性能確認の調整運転がほぼ終了し,一般利用にも既に公開されている。本装置はΔd/dが0.2%以下の高い分解能を持つだけでなく,0.05nm<d<0.47nmの広い面間隔範囲をカバーし,時分割測定等に非常に有効なイベントデータ集積法を採用しているため,新材料開発や材料の安全性への貢献が期待されている。
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