モヤシマメ (
Phaseolus mungo L.) の芽ばえの子葉部分と幼芽-胚軸-幼根部分の切片に〔2-
14C〕チミン, 〔2-
14C〕チミジンを与えその代謝を調べた。発芽期間中〔2-
14C〕チミン, 〔2-
14C〕チミジンとも分解されたが, 〔2-
14C〕チミンの方が分解されやすかった。放射能が, β-ウレイドイン酪酸にもみられたことから, チミジンは還元的に分解されることが示唆された。〔2-
14C〕チミン, 〔2-
14C〕チミジンの一部分は, ヌクレオチドやDNA分画に取り込まれたが, チミジンキナーゼの活性は検出できず, 非特異的なヌクレオシドボスホトランスフェラーゼの関与が考えられた。これらの結果から, 他のプリン, ピリミジン塩基およびそれらのヌクレオシドと異なり, チミン, チミジン, に特異的なサルベージ系は, モヤシマメ胚軸には存在しないことが示唆された。
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