RADIOISOTOPES
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58 巻 , 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
  • 斎藤 正明
    2009 年 58 巻 7 号 p. 455-460
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/29
    ジャーナル オープンアクセス
    バイオディーゼル燃料(BDF)をカラムクロマトグラフで精製し,液体シンチレーション計測(LSC)によって燃料中のC-14放射能を測定することができた。BDF試料を10%ヘキサン溶液に調製して,活性白土カラムで脱色精製した。次にヘキサンの沸点で蒸発分離し,精製BDFを計測試料とした。計測試料をトルエンシンチレータ溶液にして計数バイアルを調製した。LSC計測結果を加速器質量分析法(AMS)でクロスチェックしたところ,両者のバイオマス比は一致した。
  • 宇野 公一, 井上 登美夫, 山口 慶一郎, 井戸 達雄, 遠藤 啓吾, 久保 敦司, 日下部 きよ子, 竹田 寛, 村上 康二, 吉川 京 ...
    2009 年 58 巻 7 号 p. 461-468
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/29
    ジャーナル オープンアクセス
    1962年にBlauらが骨シンチグラフィ製剤として最初に報告した18F-fluoride ion(18F-NaF)は1972年にFDAに承認されたが,99mTc標識リン酸化合物が骨イメージング製剤のスタンダードとなり,我が国でも年間43万件以上の検査が行われ現在に至っている。その後,高解像度,高感度かつ多断層PET装置が1990年代前半から登場し,18F-NaFによる骨PETは全身の3次元断層画像が容易に得られ全身の骨病変を短時間に検索できるようになった。今回,日本核医学会ワーキンググループ(WG)において,骨PETの臨床的有用性と医療経済効果についてのエビデンスを構築するために2006年から2年間,全国3施設で99mTc-HMDP/MDPによる骨シンチグラフィと骨PETの比較評価を行った。対象は67症例で転移性骨腫瘍31症例,原発性骨腫瘍10症例,その他26症例(骨壊死・慢性関節リウマチ・人工関節の緩みloosening評価)であった。WGの結果と欧米の文献を合わせて骨PET,特に骨PET/CTが将来骨シンチグラフィと一部置き換わるものと思われた。
ノート
  • 高橋 洋輔, 関谷 喜史, 今泉 洋, 斎藤 正明, 福井 聡, 狩野 直樹
    2009 年 58 巻 7 号 p. 469-475
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/29
    ジャーナル オープンアクセス
    環境水中のトリチウム濃度を測定する上でトリチウムの濃縮は重要な項目の一つである。しかし,固体高分子電解質を利用した濃縮法(SPE電解法)においてはトリチウム分離係数(βa)があまり大きくないため,更なる性能の向上が求められている。そこで磁場と温度が電解濃縮に及ぼす影響に着目し,次のように実験を行った。SPE電解法に基づく電解装置の電解槽を,磁場と電解電流の向きが直交するよう磁場内に設置し(直交条件),磁束密度0~5T,25~35℃の温度一定条件にて電解濃縮を行った。その結果,以下のことが明らかになった。(1)直交条件において,βaは磁場の影響を受ける。(2)磁束密度0~4Tの範囲で,磁束密度の増加に伴いβaも増加する。(3)直交条件において,磁束密度の他に温度もβaに影響を与える。(4)温度がβaに影響を与える理由として,磁場と関連した影響,HTOの解離反応の温度依存性が関係していることが予想される。
総説
  • 張 宏
    2009 年 58 巻 7 号 p. 477-486
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/29
    ジャーナル オープンアクセス
    中国核医学は1956年に端を発し,今年の2009年で53年の歴史を迎える。目覚ましい中国経済発展に伴い,核医学も大きく進歩し,核医学施設は全国に普及しつつある。とくにPETの発展は著しく,中国各地域に普及する兆しが見られる。その主な使用目的は,各種悪性腫瘍,脳神経疾患,心臓疾患の精査である。臨床のみならず,基礎研究も盛んになりつつある。PETを用いた分子イメージングは緒についたばかりであるが,浙江大学を始めとする大学研究機関は,核医学・分子イメージング分野を重点的に推進している。また,諸外国と活発に協力研究を進めている。中国のPETを含む分子イメージング分野の今後の発展,普及が大きく期待される。
資料
ライフサイエンスのためのアイソトープ測定機器(第五シリーズ)
“ライフサイエンスにおけるイメージング”
  • 古川 高子, 金 朝暉
    2009 年 58 巻 7 号 p. 487-497
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/29
    ジャーナル オープンアクセス
    イメージングはこれまでも広い分野において有効な研究手段として用いられてきた。特に最近は“分子イメージング”が動物やヒトの体内で起こる事象を分子レベルで捉える研究方法として注目を集めている。分子イメージングでは多様なイメージング手段が目的に応じて用いられ,その機器・技術は急速な進歩を続けている。なかでも蛍光イメージングとPET,SPECTなどのRIイメージングは魅力あるイメージング法である。蛍光イメージングは多様なイメージングプローブが利用でき,サブセルラーレベルの解像度も可能である。RIイメージング,特にPETの定量性は他のイメージング法をはるかにしのぎ,また,ヒトでのイメージングが可能なことは大きな魅力である。本稿では蛍光とRI二つのイメージング法を,その特徴を比較しながら紹介する。
講座
医療用PET薬剤
  • 吉川 京燦
    2009 年 58 巻 7 号 p. 499-513
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/29
    ジャーナル オープンアクセス
    PET製剤である11C-メチオニン(MET)は腫瘍イメージングにおいてアミノ酸薬剤の中では最も多く使用されている薬剤である。がんではアミノ酸代謝は腫瘍が発育するのに好都合な様々な代謝過程に関連している。必須アミノ酸の一つであるL-メチオニンは正常細胞から変化した癌細胞の代謝における中心的な役割をはたしている。特にPETで測定されるMETの集積増加は悪性組織のアミノ酸輸送,メチル基転移反応,蛋白合成の増加を反映しており,また放射線治療後の放射線誘発の炎症には影響されることが少ない。本稿では脳,頭頸部,胸,骨盤,あるいは身体のその他の部位のMET-PET画像の役割を論じている。脳神経膠腫,頭頸部癌,肺癌,卵巣癌,子宮癌,直腸癌,悪性黒色腫,多発性骨髄腫,骨軟部腫瘍などの患者におけるMET-PETの臨床管理上の役割が詳細に再検討されている。要約すると,MET-PETはある種の悪性腫瘍検出において高感度,高特異度を示している。MET取り込みの差が高グレードと低グレードの神経膠腫の間で統計的に有意に異なって認められる。同じグレードの脳神経膠腫であってもMET集積が低ければ予後も良い。治療の評価と治療後の経過観察にMET-PETが有用である。MET-PETは脳腫瘍と放射線由来脳傷害の鑑別に関して感度と特異度が高い。MET-PETは初期診断,腫瘍進展の検出,生検実施の計画,放射線治療計画,治療効果の評価あるいはその他患者の臨床上管理において有用性が示されている。
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