RADIOISOTOPES
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62 巻, 1 号
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原著
ノート
速報
  • 田野井 慶太朗, 小林 奈通子, 小野 勇治, 藤村 恵人, 中西 友子, 根本 圭介
    2013 年 62 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/01/29
    ジャーナル オープンアクセス
    福島第一原子力発電所事故に伴って降下した放射性物質により,農畜産物の放射能汚染が広がった。農産物の放射性セシウムによる汚染は,事故時には水田に移植されていなかったイネ(コメ)においても一部の水田で確認されたことから,その汚染メカニズムの解明が強く求められている。本研究では,2011年に500Bq・kg-1付近の玄米が収穫された水田において,収穫期のイネと,そのイネが生育した水田土壌における放射性物質の分布を調べた。その結果,穂の直下の桿で他と比較して高い放射能が検出された。葉については,新しいものほどイメージング・プレートで検出されるシグナルが強く,放射性セシウム濃度も高いことが示された。比較対象として,土壌の放射性セシウム濃度はほぼ同レベルであるにもかかわらず玄米の濃度が検出限界(10Bq・kg-1)未満であった地域で収穫されたイネの葉を解析したところ,古い葉ほど高い放射性セシウム濃度であった。これらの結果は,高濃度放射性セシウムが検出された当該イネは,出穂期付近である初夏から盛夏にかけて放射性セシウムを吸収した,若しくは体内の転流により放射性セシウムが新しい組織へと輸送された,いずれか又は両者の機構が関与した可能性を示すものである。
  • 渡部 終五, 松岡 洋子, 中谷 操子, 潮 秀樹, 根本 芳春, 佐藤 美智男, 田野井 慶太朗, 中西 友子
    2013 年 62 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/01/29
    ジャーナル オープンアクセス
    福島県沖で漁獲されたマダラ,ニベ,シログチの各組織の放射活性をイメージングプレート法で評価したところ,筋肉に比較的高い放射能濃度が認められた。次いで,すり身製造における水晒し工程が魚肉の放射性セシウム含量に及ぼす影響を明らかにした。ニベ及びマダラの落とし身を3倍量の0.1%食塩水で洗浄を行ったところ,3回繰り返すことで30%程度まで低下することが明らかとなった。また,筋肉を更に細片化することで水晒しの効果が一層高まることが明らかとなった。
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