日本原子力研究所 (原研) では, 放射線加工レベルの大線量校正用
60Coγ線照射施設を独自に設計・製作した。そして, その特性および線量測定に関する性能を全体にわたり調べることにより, 原研において与えられる吸収線量値に関わる不確かさを評価した。線量計校正用装置は, 線量率5-200Gy/hおよび400Gy/h-20kGy/hの異なる線量率範囲を与える二つの線源, 線量計固定用ステージ, 正確な照射線量率測定用平行平板型電離箱, および特定の照射条件下における線量計校正に用いるために付属した温度・湿度制御照射容器によって構成した。本装置は, 一般的な運転時間 (8h) 内で0.5Gy-160kGyの線量範囲の既知線量を不確かさ±2.2% (95%信頼度相当) で被校正線量計に与えるために十分な照射場の特性および線量測定の性能をもっている。また, 原研で校正したアラニン線量計を用いたトランスファー線量測定により, 不確かさ±3.4% (95%信頼度相当) で線量を評価することが可能である。
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