RADIOISOTOPES
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63 巻 , 6 号
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原著
  • 青塚 潤, 王 瑩, 佐藤 貴之, 片岡 憲昭, 今泉 洋, 狩野 直樹
    2014 年 63 巻 6 号 p. 283-291
    発行日: 2014/06/15
    公開日: 2014/06/27
    ジャーナル オープンアクセス
    トリチウム(3H又はT)が環境中に及ぼす影響と水素を含む化合物との反応性を定量的に評価するために,6-Chloronicotinic Acid又は5,6-Dichloronicotinic AcidとHTO蒸気との間の水素同位体交換反応(T-for-H交換反応)を,50~70℃の温度範囲で固―気系で観測した。得られたデータにA"-McKayプロット法を適用することで,この反応における各官能基の速度定数(k)を求めた。これらのkを相互比較した結果,以下のことが明らかになった。(1) ピリジン誘導体においてCOOH基の反応性はCl基の数や位置の違いに依存しており,次のようになった;(m-位及びp-位のCl基):(p-位のCl基):(Cl基なし)=1.9:1.5:1.0。(2) 未知のニコチン酸誘導体の反応性は,本研究で得られたHammettプロットを使って推定することができる。(3) A"-McKayプロット法を使うことで,官能基を持つ物質においてTの挙動をマスク剤なしで非破壊的,定量的に解析することができる。(4) 本研究で用いられた手法は,物質における官能基の反応性を求めるための手法として役立つことが期待される。
速報
総説
  • 山崎 秀夫
    2014 年 63 巻 6 号 p. 299-316
    発行日: 2014/06/15
    公開日: 2014/06/27
    ジャーナル オープンアクセス
    東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故(以下,原発事故と略記する)では,大量の放射性核種が環境に放出された。環境射能汚染からの低線量被ばくによる生体影響に関しては様々な議論が繰り返されており,その実態については明瞭に解明されていない。今回の事故では,東日本一帯の環境が広範囲に放射能汚染され,事故による直接的な影響を受けなかった地域にも,物流などによって放射性物質が拡散している。原発事故による環境放射能汚染の特徴は,①大規模な海洋汚染が,事故後3年以上経過した現在も継続している。②首都圏を含む人口稠密な都市が,高度な放射能汚染にさらされた。③大量の放射性核種が,今でも森林生態系に沈着している。このような複雑な環境放射能汚染は,過去に世界各地で起きた大規模原子力事故では経験していない。原発事故で環境科学的に問題になる主要な核種は,131I,134Cs,137Csである。また,原子炉冷却水は,炉内のデブリにも接触しているので,90Srの他に核燃料のウランやプルトニウム同位体,核分裂生成核種,中性子捕獲生成核種などが含まれる可能性が高く,汚染冷却水の環境への漏えいは,深刻な放射能汚染を引き起こす可能性がある。福島第一原発による環境放射能汚染の概要がようやく明らかになり始めた。環境放射能汚染の状況を明らかにし,汚染に対処するためには,放射性核種の環境中での移行,蓄積,拡散を正しく評価しなければならない。本稿では,現在までにわかっている,原発事故による環境放射能汚染の動態を,環境中の放射性核種の移行と蓄積の観点から概説する。
連載講座
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