腫瘍への
67Ga摂取の程度に影響する因子は, 腫瘍の組織型, 腫瘍の線維化および壊死の程度, 病巣の部位, 大きさおよび既往治療の有無であることを認めた1971年来, 担がんマウスのマクロオートラジオグラムによる
67Gaの相対的体内分布の検討, 臓器別放射能測定を行った, その結果, 腫瘍組織, 消化管上皮および細網内皮系に属する臓器に
67Gaが高度集積することを認めた。
これによって腹部シンチグラムで読影を困難にする腸内
67Gaの動態, 肺シンチグラムで骨髄肝, 肺がん由来淋巴節等の細網内皮系に属する臓器の
67Ga高度集積に比し, 単位重量あたり高い放射能を示す隣接肺組織が含気性構造のために単位容積あたりのそれが少なく強い集積を示さないから, 肺がんが陽性像として描画されることが把握できた。
原発性肺がんのみならず腫瘍に関与する二次変化の淋巴節や閉塞性肺炎にも集積する
67Gaの肺シンチグラムの病巣集積は, 肺がんのX線像上, 腫瘤陰影として認められる病巣と必ずしも一致せず, 原発性肺がんに主として選択的に集積する
99mTc-BLMの陽性描画とは様相を異にする。両核種の特異的集積の差異を挙げて
67Gaの臨床症例に基礎的検討を加えた。
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