甲状腺腫瘍25例に対し,
201Tl-chloride (
201Tl) と
67Ga-citrate (
67Ga) のシンチグラフィを併用し比較検討した。甲状腺がん15例のうち
201Tlでは12例 (80%) ,
67Gaでは4例 (26.7%) の陽性像を得た。腺腫10例では
201Tlで3例 (30%) 陽性であったが,
67Gaは全例陰性であった。さらに各組織型別にみると,
201Tlは分化がんならびに比較的低分化な腺腫に集積され, 未分化がんに対しては集積が悪かった。一方,
67Gaは, 未分化がんに強く集積されるが, 分化がん, 腺腫には集積が悪かった。
67Gaは未分化がんの遠隔転移巣にも強く集積され,
67Gaシンチグラフィはその遠隔転移巣の発見, 放射線治療時の照射部位の決定, 治療効果の判定などに有効な手段であることが判明した。
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