放射性亜鉛 (
65Zn) を産卵ウズラに1回または7日間にわたって1日1回腹腔内投与したのち, 採卵をおこない, 卵における
65Znの取りこみを観察した。
腹腔内に1回投与した場合, 投与後24時間以内に産卵された第1卵では
65Znがまったく検出されなかったが, 第2卵目の卵黄には投与量の約3%が取りこまれており, さらに第3および第4卵目の卵黄ではそれぞれ投与量の8および7%となって, 最も高い値を示した。それ以後は産卵順に従って卵黄中の取りこみ量もしだいに減少し, 第21卵目の卵黄では投与量の0.4%となった。卵白, 卵殻では
65Znがほとんど検出されなかった。投与後3週間にわたって採取した卵黄中の
65Zn累積量は投与量の約40%となり, 糞尿中の累積排泄量 (計算値) と同様の値になった。それゆえ産卵ウズラでは, 卵黄が糞尿とともに
65Znの主たる排泄経路になっていると考えられる。
7日間にわたって1日1回
65Znを投与した場合も, 卵黄の
65Zn量は第2卵目から急速に増加し, 第6卵から第9卵目の卵黄で最も高い値を示したのち, しだいに減少した。投与開始後3週間の間に得られた卵黄中の
65Zn累積量は投与総量の約30%と推定された。
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