131I-sodium iothalamate (SI) を使用し, 腎糸球体ロ過値の測定を試料計測法により39例に, 体外計測法により20例について施行し, 同時測定したチオ硫酸ソーダ1回静注法による成績とをそれぞれ比較検討した。試料計測法においては血液, 尿試料より血漿計数値
p (cpm/m
l) , 尿計数値
U (cpm/m
l) , 尿量
V (m
l/min) を計測し, 次式により算出した。
C=UV/Pただし,
Cは血漿クリアランス (m
l/min) とする。体外計測法においては頭部または心臓部の体外γ線計測により放射能血中消失曲線を記録したあと, 半対数グラフに転写し, 2個のcomponentに解析し, Sapirsteinの方法に準じ次式により算出した。
C=*Ir1r2/Ar2+Br1ただし, *
Iは
131I-SIの注射量 (cpm) ,
A,
r1は曲線の終期緩傾斜,
B,
r2は初期急傾斜より半対数グラフによる図計算によって求めた。SI法とチオ硫酸ソーダ法による成績は比較的よく一致し, 試料計測法とは
r=0.89, 体外計測法とは
r=0.86の相関が得られた。
131I-SI利用の糸球体ロ過値測定法は臨床検査法として有用であるといえる。
抄録全体を表示