放射化分析法による水試料中の微量元素の定量のための前濃縮法として提案した蒸発乾固法, Fe (OH)
3, Al (OH)
3およびPbS共沈法について, 同一河川水試料を用いてその分析結果を検討した。そして前濃縮法としては, 蒸発乾固法, Fe (OH)
3およびPbS共沈法の3つの前濃縮法を適用すれば良いことを確かめた。
本法を利用して東京都の主要な水道水源である利根川とその支流の河川水を分析した結果, Al, Ca, Dy, Mg, Ti, V (短時間照射) , Ag, As, Co, Cr, Cs, Cu, Eu, Fe, La, Lu, Na, Rb, Sb, Sc, Se, Sm, W, Zn (長時間照射) の24元素を定量することができた。利根川のこれら元素の濃度は天然のレベルと考えられた。
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