RADIOISOTOPES
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67 巻, 9 号
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原著
  • 栗田 圭輔, 山口 充孝, 長尾 悠人, 鈴井 伸郎, 尹 永根, 吉原 利一, 河地 有木
    2018 年 67 巻 9 号 p. 427-434
    発行日: 2018/09/15
    公開日: 2018/09/15
    ジャーナル オープンアクセス

    樹体に含まれる放射性セシウムの季節変動を長期間モニタリングするため,市販の積算線量計を用いた簡易測定手法を開発した。開発した手法で季節変動が測定可能かどうか評価するため,実験及びモンテカルロシミュレーションを実施した。実験の結果,線量計指示値の個体間のばらつきは1.6%であり,期待される季節変動に比べて十分に小さいことがわかった。また,シミュレーションの結果,本手法で樹体に含まれる放射性セシウムを測定する場合,樹体による光子の吸収及び散乱の影響で測定値が増加するため,これを補正する必要があることがわかった。以上の結果から,本手法により,樹体に含まれる放射性セシウムの季節変動が測定可能であることが示唆された。

技術報告
  • Joseph Emmanuel Ndjana Nkoulou II, Simplice Feutseu Talla, Guillaume S ...
    2018 年 67 巻 9 号 p. 435-446
    発行日: 2018/09/15
    公開日: 2018/09/15
    ジャーナル オープンアクセス

    The level of natural radioactivity has been evaluated for soil samples collected from the uranium and thorium bearing region of Lolodorf in the southwestern Cameroon. Specific activities of 226Ra, 232Th and 40K in these soil samples were determined using γ-ray spectrometry with sodium iodide (NaI(Tl)) detector. The specific activities for the whole study areas where consist of five inhabited localities were compared with the world average and permissible recommended limits. Specific activities of 226Ra, 232Th and 40K ranged from 5–120, 2–170 and 50–253 Bq kg−1, with average values of 22±2, 37±6 and 98±7 Bq kg−1, respectively. The average values of absorbed dose rate in air (Da), external effective dose (Eext), radium equivalent activity (Raeq), external hazard index (Hext) and representative level index (Iγ) were 36.7±5.0 nGy h−1, 0.29±0.04 mSv y−1, 83±14 Bq kg−1, 0.22±0.03 and 0.58±0.10 respectively, which, were lower than their recommended values. Although this study shows that radioactivity level is normal in the study areas, except some areas where the uranium and potassium anomalies had been found by previous investigations, the possibility of developing cancer cases among individuals must not be neglected. The soil from the sampling areas in this study can be used safely as building materials apart from some points within Ngombas and Kribi.

講座
  • 鈴木 良一, 大口 裕之
    2018 年 67 巻 9 号 p. 447-452
    発行日: 2018/09/15
    公開日: 2018/09/15
    ジャーナル オープンアクセス

    東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所での事故に対応して,一般の住民が生活の中での放射線量を計測するための放射線線量計“D-シャトル”を開発した。この線量計は,小型軽量で,各個人が携帯して必要に応じて表示器で記録を見ることができ,1年以上動作し,ユーザーの電池交換が不要である。本稿では,“D-シャトル”線量計の開発の経緯と機能について紹介するとともに,リアルタイムモニタリングへの応用についても紹介する。

  • 村山 賢太郎
    2018 年 67 巻 9 号 p. 453-460
    発行日: 2018/09/15
    公開日: 2018/09/15
    ジャーナル オープンアクセス

    D-シャトルは,株式会社千代田テクノルと国立研究開発法人産業技術総合研究所が共同開発した小型・軽量長電池寿命の電子式積算線量計である。D-シャトルは東京電力福島第一原子力発電所事故後に開発が進められ,2013年3月より一般に供給されているが,線量計部分と表示器を分離したために,高い信頼性を有する線量計を1年間という長期間作動させ,1時間ごとの線量を記録し続けることに成功した。また,電池交換の際に校正を実施することで,線量計測の品質を維持しつつ,一般市民が簡便に自身の線量を記録し,被ばく線量の低減に活用することを可能にしている。本稿では,この新しい線量計の概要を示すとともに,これを活用した福島県内外での線量調査の実施例についても紹介し,環境測定への応用や医療への応用など今後の展望についても示した。

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