シリコン半導体検出器を用いて
14Cからのβ線を測定する際に, 線源と検出器との問に吸収体がある場合に, 波高スペクトルがどのように変化するかを調べた。吸収体を挿入すると, 波高スペクトルには幅広い明確なピークが生じた。吸収体の厚さを増加させるとピークの高さが減少するとともに, ピークの位置は高エネルギー側に移動した。一方, 吸収体が線源から離れるに従って, ピークの高さは減少するが, その位置には変化はなかった。また, 得られたスペクトルからβ線の吸収曲線を求めたところ, 単純な指数関数曲線ではなく, 吸収体の位置によってそれぞれ特徴のある曲線となった。以上の結果から, 低エネルギーβ線の波高スペクトルは, 吸収体の厚さによって変化するだけでなく, 吸収体が線源と検出器との間のどの位置にあるかによって違ってくることがわかった。
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