RADIOISOTOPES
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63 巻 , 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
原著
  • 石井 吉之, 斎藤 正明, 今泉 洋, 加藤 徳雄, 北岡 豪一
    2014 年 63 巻 2 号 p. 79-86
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    実際の地表面付近の降雨浸透水を模擬した水(擬似浸透水)を初期地下水として採取し,トリチウム濃度を測定した。東京においては,擬似浸透水のトリチウム濃度を降水,大気中水分,地下水,湧水,植物樹液のトリチウム濃度と比べた。降水,大気中水分,擬似浸透水の濃度は月ごとや降雨ごとに大きく変動するのに対し,地下水と湧水の濃度は年間を通じほぼ一定であった。次に,日本列島の特徴的な4地点,すなわち札幌,新潟,東京,松山において2004年から2010年にかけて月ごとに擬似浸透水を採取し,地域によるトリチウム濃度の違いを調べた。その結果,札幌と新潟で高濃度,松山と東京で低濃度となった。各地域で年間最高値と最低値が決められ,これら二値からなる混合モデルによって,各地域における擬似浸透水のトリチウム濃度が推定可能と示唆された。
速報
資料
連載講座
メスバウアースペクトロメトリーの基礎と応用
訂正
  • 滝澤 行雄, 山下 順助, 石郷岡 清基
    2014 年 63 巻 2 号 p. 115
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    日本酒のX線照射マウスに対する放射線防護効果を検討した。供試の日本酒は米と米麹のみで醸造した純米酒(アルコール濃度10.5%)で,9週齢雄性C57BL/6JJms系マウスに純米酒0.6mL/匹を経口投与し,その約30分後にX線7.8Gy(照射線量率1.078Gy/分)を照射した。また,純米酒0.2mL/匹を7日間反復経口投与後30分後にX線を7.8Gy照射し,引き続き同様に7日反復経口投与を行った。対照マウスには普通酒(アルコール濃度15.0%),純エタノール(10.5%)及び生理的食塩水を経口投与した。なお,普通酒は米と米麹に,醸造アルコールを加えている。
    X線照射マウスに対する放射線防護効果は30日間の生存率で評価した。その結果,大量1回投与(0.6mL)において,純米酒投与群の生存率は80%でエタノール投与群よりも高かった。生理食塩水投与群では26日目に全頭死亡した.純米酒投与群と生理食塩水投与群との間に有意差(p<0.01)が認められた。少量連続投与(0.2mL)においては,純米酒投与群の生存率は普通酒投与群より高かった。純米酒投与群の生存率は生理的食塩水投与群より有意に高かった(p<0.05)。日本酒はアルコ-ル飲料の中でもアミノ酸が多く,特にアミノ酸総量では純米酒(1771mg/L)が普通酒(932mg/L)の約2倍高であり,放射線防護効果にアミノ酸の寄与が思考される。純エタノ-ルにも防護効果はみられるが,日本酒に比べ低かった。以上,唯一日本酒のみの特徴といえるアミノ酸類に放射線防護効果があることが示唆された。
  • 久冨木 志郎, 西田 哲明
    2014 年 63 巻 2 号 p. 117
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    導電性バナジン酸塩ガラスの電気物性と局所構造の相関に関する最近の研究成果を紹介した。バナジン酸塩ガラスはVIV(あるいはVIII)―O―VV間の電子ホッピングにより10-7~10-5 S cm-1の導電率を有することで知られている。20BaO・70V2O5・10Fe2O3ガラスについて,DTA測定により判明した結晶化ピーク温度(Tc)近傍の500℃の熱処理で導電率が10-5から100 S cm-1へ上昇した。メスバウアースペクトルから,このときFeO4四面体の歪みを反映する四極分裂(Δ)の値は0.70から0.54mm s-1に減少することが判明した。バナジン酸塩ガラスは熱処理で構造緩和が起こり局所的な歪みが減少し,その結果電子ホッピングが起こりやすくなったと考えられる。すなわち,ガラスの局所歪みと導電性の間に密接な関係があることが明らかになった。メスバウアースペクトロメトリーはリチウムイオン電池等二次電池の正極材料としての有望な候補であるバナジン酸塩ガラスをはじめ,様々な機能性ガラス,セラミックスの構造について重要な知見をもたらす。
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