RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
61 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
原著
  • 佐藤 泰, 山田 崇裕, 松本 幹雄, 山元 真一, 海野 泰裕, 柚木 彰
    2012 年 61 巻 3 号 p. 117-120
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル オープンアクセス
    表面汚染検査装置は,放射線防護のために広く用いられている。これらの表面汚染検査装置は,荷電粒子放出率が付与された面線源により校正される。一方,産業技術総合研究所は,計量の国家標準を担っており,荷電粒子放出率については,多線式比例計数管により面線源の測定を行い,面線源を仲介標準器として,校正業務を行っている。現在まで,100mm×100mmの面線源により,校正業務を行ってきたが,今回,新しい多線式比例計数管を導入し,100mm×150mmの面線源によっても,校正業務が行えるように準備作業を進めている。この新しい多線式比例計数管についての特性評価を行うとともに,校正の不確かさ評価を行った。今後,この多線式比例計数管を,表面汚染検査装置の校正等のための面線源に,荷電粒子放出率を付与するために用いていきたい。
ノート
  • 小林 奈通子, 田野井 慶太朗, 菅野 里美, 中西 友子
    2012 年 61 巻 3 号 p. 121-128
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル オープンアクセス
    リアルタイムRIイメージングシステムを搭載したラジオアイソトープ顕微鏡(VIM-micro)を用いて,植物の根における55Feの動態を解析した。VIM-microの55Feに対する検出感度はイメージングプレートよりも顕著に高く,2分間の積算により,根における55Feの分布を可視化できた。10kBq/μLの55Feをシロイヌナズナとイネの根の下部側に処理し,その後2時間にわたって60枚の根の画像を取得することで55Feの動態を解析した。いずれの植物においても,55Feは根の先端部に優先的に分配された。阻害剤の処理,あるいは煮沸によって不活性化した根を,通常の根と比較解析したところ,30分以降に見られる55Feの根先端部への蓄積が,生物活性によるものであることが判明した。これらの結果により,Feは,重要なシンク器官である根端部に積極的に輸送されることが示された。
速報
  • 山田 一孝, 山口 敏朗, 澤野 海太, 岸本 海織, 古濱 和久
    2012 年 61 巻 3 号 p. 129-132
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル オープンアクセス
    福島第一原子力発電所から20km圏内で飼育されていた交雑種豚が,事故17日後に清浄区域へ移動し,移動41日後に試料が採材された。Ge半導体検出器を用いて,バラ,モモ,ロース及び心臓のγ線スペクトルを測定したところ,放射性セシウムの存在が確認された。被検豚は移動前後ともに豚舎で飼育され,生涯汚染のない輸入飼料で飼養されていた。牛肉の放射能汚染の原因は汚染された稲藁と報道されているが,稲藁だけが汚染の原因ではない可能性がある。次世代のために,食の安全の観点から牛肉のみならず他の畜産物についても監視が必要である。
総説
安定同位体利用技術
資料
連載講座
放射線治療
  • 伊丹 純
    2012 年 61 巻 3 号 p. 153-159
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル オープンアクセス
    小線源治療は,侵襲的ではあるが,臨床的標的体積と計画標的体積の差を最小限に抑えることが可能であり,また,距離と線量の逆二乗の法則から腫瘍に集中した線量分布が得られる究極の高精度放射線治療である。近年高線量率小線源治療においては画像誘導放射線治療の導入が進んでいる。また,125Iなどの新たな放射性同位元素の導入により小線源治療の新たな適応が開拓されつつある。
feedback
Top