医学利用に供する
123Iをつくる目的で, 天然アンチモンの電着フォイルをつくり, スタック法で40MeVまでのα,
3He照射を行ない,
123Iのみならず副生成核種
121I,
124I,
125Iを生ずる核反応の励起曲線, 厚いターゲット収率曲線を求め, 放射化学的純度の高い
123Iをつくる照射条件を検討した。
3He照射の場合,
121Iが大量に副生するため, 21時間の冷却を行なうと
123Iは180μCi/μAhとなり, しかも, 4.1%の
121Iが混入するので医学利用の
123Iの製法としては得策ではない。α照射の場合, 22.4mg/cm
2のターゲットに24.5MeVのα照射を行なえば
123Iは174μCi/μAh得られ,
124I/
123Iの比も0.69%にすぎず, また
125Iも0.8%である。本法は天然アンチモンを用いており, しかも
123Iの放射化学的純度は従来の報告値よりも改善されているのできわめて実用的である。
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