肝胆道系スキャニング剤としての
99mTc-N- (2, 6-dimethylphenylcarbamoylmethyl) iminodiacetic acid (
99mTc-HIDA) の標識条件の検討を行い, さらに, その標識化合物の体内挙動をマウス, ラット, ラビットを用いて調べた。その結果,
99mTcとHIDAとの反応でできる数種のcomplexのうちcomplex IIのみが胆管に移行することがわかり, このcomplexは, 非常に速い胆汁への排泄とともに1時間に約65% (ラット) という非常に高い移行率を示した。また, このcomplexは, その標識方法およびpenicillamineとの交換反応の結果から, 低次に加水分解されたTcの状態をもつことが予想され, このことがこのcomplex IIの速くかつ高い胆管移行に関係しているのではないかと推定された。
抄録全体を表示