グレーブス病患者のアンケート調査に基づき, 判断樹感度分析と関連する変動因子を用いて生涯の期待費用, 効用値を計算することによって, グレーブス病に対する抗甲状腺剤,
131I治療, 甲状腺亜全摘術の費用効果分析を行った。分析にあたって, (1) 抗甲状腺剤と
131I治療, (2) 抗甲状腺剤と甲状腺亜全摘術, (3) 低線量 (185MBq)
131I治療, (4) 高線量 (370MBq)
131I治療, の4群について検討した。生涯費用は低線量
131I治療が最も低額で, 高線量
131I治療が最も高額であった。生涯効用値は高線量
131I治療が最も高く, 抗甲状腺剤と
131I治療が最も低値であった。費用効果比は低線量
131I治療が最も低く, ¥5008/効用であった。結論として, 費用効果分析上, 低線量
131I治療がグレーブス病治療において最も優れており, 広く普及すべき治療法と思われる。
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