2009年に発生した
99Moの供給トラブルを契機に,
99Mo製造の国産化について種々の検討が進められている。これらの検討は,天然存在比が約24%の
98Moあるいは天然存在比が約10%の
100Moをターゲットとして中性子放射化法により
99Moを製造するものであり,現在使用している,
235Uをターゲットとした核分裂法によるものとは異なる。この製造方法は,核不拡散への対応や廃棄物処理の点からは有用な方法であるが,放射性医薬品の製造に適した
99mTc溶液を安定に得るには種々の課題がある。本稿では,その課題について触れてみる。
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