新しい抗菌剤であるoxolinic acidをラットに投与し, その尿中代謝物の分離, 同定を行なった。
14C-oxolinic acidの10mg/kgを経口投与したとき, 投与放射能の約34%が24時間尿中に排泄され, この尿中放射能の約95%がその代謝物であった。
尿中の主代謝物 (43.5%) はoxolinic acidのメチレンジオキシ基の開裂で生じた1-ethyl-1, 4-dihydro-6, 7-dihydroxy-4-oxo-3-quinolinecarboxylic acidと未知化合物との抱合体であった。その他の代謝物は上述のカテコールの6位あるいは7位のmonomethoxy誘導体および, それらのグルクロン酸またはニンヒドリン陽性化合物との抱合体であった。このことは, 上記カテゴールの2つの水酸基のうちのいずれかがメチル化されたことを示すものである。
以上の結果から, ラットにおける
14C-oxolinic acidの代謝経路はメチレンジオキシ基の酸化, O-メチル化であり, さらに, それら代謝物のグルクロン酸あるいはニンヒドリン陽性化合物との抱合化であると推定された。
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