RADIOISOTOPES
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57 巻 , 6 号
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原著
  • 頼 泰樹, 菅野 里美, 林 芳武, 二瓶 直登, 中西 友子
    2008 年 57 巻 6 号 p. 355-360
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/28
    ジャーナル フリー
    リアルタイムオートラジオグラフィーシステムを顕微鏡に搭載するため,CsI(Ti)シンチレータの膜厚が解像度と感度に与える影響を解析し,シンチレータの薄膜化により高解像度化を試みた。またテーパー型ファイバープレートにシンチレータを蒸着し,ラジオグラフィー像を拡大させる改良を行った。改良したリアルタイムオートラジオグラフィーを倒立蛍光顕微鏡に組み合わせた顕微鏡システムは明視野像,蛍光像の取得という従来の機能に加え,ラジオアイソトープの分布像も取得可能である。45CaCl2を取り込ませた大豆の茎切片を解析した結果,この顕微鏡システムは顕微鏡視による50倍拡大像とほぼ同じスケールで,取り込ませたラジオアイソトープの組織切片内の分布画像を細胞レベルで取得することができた。
    今後,ラジオアイソトープ標識したシグナルとGFPをはじめとする蛋白質の蛍光標識技術を組み合わせることで,遺伝子発現やシグナルトランスダクションなどの研究分野での活用が期待できる。
  • 二瓶 直登, 増田 さやか, 頼 泰樹, 中西 友子
    2008 年 57 巻 6 号 p. 361-366
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/28
    ジャーナル フリー
    有機農業において有機肥料の肥効がどのように発現しているかを明らかにするため,イネ幼植物によるアミノ酸吸収について解析を行った。14C標識アラニンを吸収させたイネをイメージングプレートで解析した結果,アミノ酸の一つであるアラニンを窒素源として生育させたイネは,アンモニアを窒素源として生育させたイネよりも約2倍早くアラニンを吸収することが明らかとなった。これは根圏におけるアラニンの存在にイネが応答し,積極的にこれを取り込むようになることを示している。リアルタイムオートラジオグラフィーシステムを用いて,イネの根がアラニンを取り込む様子を5分積算の連続画像として取得した。この連続画像の解析により,イネはアラニンを特に根端において積極的に取り込んでいることが明らかとなった。
  • 山沖 留美, 木村 捷二郎, 大津 尚美, 筑田 康裕, 青木 研二, 三野 芳紀, 太田 雅壽
    2008 年 57 巻 6 号 p. 367-373
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/28
    ジャーナル フリー
    ウイキョウへの電子線(EB)照射による殺菌効果と照射後の精油成分への影響について調べた。5MeVのEBを片面照射した場合,ウイキョウ梱包試料に対するEBの吸収線量は,充填量0.9 ~ 1.0g/cm2 において表面線量15kGyの約1.3倍となる最大値を示し,これより深部の層になるほど減少した。その結果,細菌数が105cfu/gレベルのウイキョウでは,充填量2.3g/cm2 内,吸収線量3kGy以上で殺菌レベル1.0×103cfu/g以下に適応し,ウイキョウ試料中の細菌のEB感受性は大きかった。更に,殺菌レベルのEB照射による精油量への影響や精油成分の変化は見出されなかった。
  • 高橋 優太, 今泉 洋, 狩野 直樹, 斎藤 正明, 加藤 徳雄, 石井 吉之, 斎藤 圭一
    2008 年 57 巻 6 号 p. 375-383
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/28
    ジャーナル フリー
    2003年12月から2006年11月にかけて,日本海に面した立地である新潟市にて降水中に含まれるトリチウムと各種陽イオン濃度の測定を行った。これにより本研究では,これらの関連性を明らかにすることで,気団移動の解析への有効性について検討した。サンプルとなる月間降水は擬似浸透水型の採水装置を用いて集められた。この結果,以下のことが明らかとなった。(1)降水中のトリチウム濃度とカルシウムイオン濃度との間に相関性がある。(2)季節によって,降水起源気団の持つトリチウム濃度が異なる。(3)この傾向は大陸性気団において顕著に現れる。(4)降水中のトリチウム濃度は大陸性気団の降水と海洋性気団の降水との混合比によって決まると推定できる。
ノート
  • 佐藤 裕一, 山林 尚道, 中村 尚司
    2008 年 57 巻 6 号 p. 385-391
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/28
    ジャーナル フリー
    米国核医学会で提唱されている内部被ばく線量計算方法(MIRD)においては,β線のエネルギーは,線源臓器内で完全に吸収されると仮定されている。しかし,RI内用療法の基礎実験で用いられるマウスの臓器は,90Yからの高エネルギーベータ粒子の飛程と比べ,相対的に小さい。したがって,高いエネルギーのベータ粒子は,線源臓器を透過し,結果として,周囲の臓器の線量が増大することが知られている。マウスに投与されたβ線放出核種からの内部被ばく線量を正確に推定するには,CT画像を基にしたボクセルファントムのような,よりリアリスティックな幾何学的モデルが必要とされ,そこで,モンテカルロ計算コード(EGS5)を用いて,精密にベータ粒子の輸送をシミュレーションすることが重要になってきている。本研究の目的は,モンテカルロ計算コードによりマウス内のベータ粒子の輸送をシミュレーションするために作成したユーザーコードの妥当性を評価することにある。このため,マウスを模擬した小型タフウォーターファントム内に小型ガラス線量計と90YCl3溶液を封入したカプセルを埋め込み,その小型ガラス線量計で測定された吸収線量分布をこのユーザーコードを用いた計算結果と比較することによって確認した。このユーザーコードで計算された小型ファントム内吸収線量の分布は,測定された結果と比較し,かなり良い一致をしていることがわかった。
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