最近繁用されている
99mTc-標識化合物による臓器イメージングの場合,
99mTcのγ線エネルギーが140keVであるので, 組織による吸収が無視できない。撮影方向による画像および検出能の相違が問題となり, とくに
99mTc-リン酸化合物を用いた全身骨シンチグラムの場合は, 骨格の解剖学的位置関係により, これらの差異が著明である。著者は, 現在広く普及しているシンチカメラを使用して,
99mTcγ線の骨および軟部組織による吸収の定量的検討を試みた。その結果, 骨での
99mTcγ線の半価層は約3.0cm, 軟部組織では4.0~4.5cmという値を得た。この結果を基にすると, 臨床上の画像および検出能の差異についての情報量の解釈が容易であると考える。
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