111Inで標識した80 MBqのヒトの免疫グロブリン (
111In-DTPA-IgG) を健常人に投与し, その生体内分布と動態とを検討した。
111Inの取込みは肝臓と骨髄を除くすべての臓器で投与後時間を追って低下した。投与70時間後の腸への
111Inの取込みは投与量の1.0%であり, このことは
111In-DTPA-IgGが腹部の炎症を検出するに際し有効であろうことを示唆していた。血漿をHPLCを用いて検討したところ, 標識したグロブリンを示すピークが1本のみ検出された。すなわち,
111In-DTPA-IgGは血液中でも安定に標識されたままであった。血液クリアランスは2相系で減少し, 初期相の半減期は6.6+/-1.6時間, 後期相のそれは35.5+/-2.0時間であった。72時間での尿への排泄量は投与量の12.0+/-0.9%であり,
111In-DTPA-IgGが主に尿路系を通して徐々に排出されることを示していた。
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