β線に対するアントラセン結晶の螢光量は大きいからlight-pipeを通して光電子増倍管に導いてもβ線の測定は可能である。著者は
32P-β線の測定を行なうとき, アクリルlight-pipeの長さおよび直径と計数効率との関係, 波高分布の変化などにつき基礎的実験を行ない詳細な検討を加えた。
1) ディスクリレベル以上の計数の効率は1ight-pipeが30cmのときでも80±5%で, 相当に高い。しかし, light-pipeが長く, 直径が小さいほど波高の高いパルスが減少して波高の低いパルスが増加する。
2) light-pipe中を螢光が通過するとき, 螢光量が減少してパルスの波高が低くなるのは, light-pipeの全反射面の滑面度の不完全さによるものである。light-pipeが螢光の特定波長の光を吸収することはなかった。
実験の結果として, light-pipeには全反射面の滑面度と可撓性の点で, アクリル棒よりもグラス・ファイバーのほうがすぐれているであろう。
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