新しく合成された局所麻酔薬, 2-methyl-2-
n-propylaminopropion-
o-toluidehydrochloride (LA-012) の生体内運命を知るため,
3H標識化合物を用いて, モルモットにおける生体内分布を全身オートラジオグラフィによって検討した。LA-012の吸収は速やかにおこなわれ皮下注射した
3H-LA-012による放射能活性は, 1時間以内に局所からほとんど消失した。全身的な放射能活性は, 皮下注射後30分から1時間で最高値を示した。そののちは比較的ゆるやかに減少したが, 24時間後には活性のほとんどが消失した。著明な取込みがみられたのは, 肝臓, 腎臓, だ液腺, 眼窩下腺, 胃小腸内容物, 胆のう, 膀胱であり, 筋肉や脂肪は一般に活性が低かった。このほか, 各所の結合組織, たとえば真皮の結合組織, 肋軟骨, 耳介軟骨などに特徴的な取込みがみられた。
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