低気圧中で生成した誘導結合型プラズマを用いて不飽和脂肪酸の水素添加処理を行った。また, 水素添加におけるγ線とグロー放電の反応相違を明らかにするために, グロー放電プラズマ中の電子温度, 電子密度をダブルプローブで測定した。本実験では, 3.5eVの電子温度を持つ水素プラズマで不飽和脂肪酸を部分的に水素化することができ, γ線照射法よりも効果的であることがわかった。これは, グロー放電プラズマが, 励起原子やイオンとともに脂肪酸界面における水素添加に必要な最適エネルギーを効果的に供給できることによる。また, 低気圧中で生成するグロー放電プラズマは, 初期モノマーを壊すことなく, 不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸に変換可能であることがわかった。
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