RADIOISOTOPES
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61 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原著
  • 片岡 隆浩, 徳永 力三, 迫田 晃弘, 川辺 睦, 花元 克巳, 山岡 聖典
    2012 年 61 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/01/27
    ジャーナル オープンアクセス
    著者らは今までに,共同開発したラドン吸入装置を用いマウスにラドン吸入をさせた場合,諸臓器中の抗酸化機能が亢進する可能性などを明らかにしてきた。本研究では,ラドン吸入の獣医療への応用の可能性について新たに検討するため,健常なイヌ5頭(オス:2(1,9才),メス:3(1~5才))及び慢性腎不全症のネコ8頭(オス:3(2~6才),メス:5(5~7才))を対象に基礎的な検討をした。すなわち,約5500Bq/m3のラドンを1回30分で隔日に30日間(計15回)それぞれ吸入させた。その結果,イヌにおいて,中性脂肪が減少する可能性が示された。また,その効果は吸入開始20~30日後に現れることも示唆できた。他方,ネコにおいて,飲水量が改善し血清中クレアチニンが基準値内に減少する症例がみられるなど,慢性腎不全症に対し一定の効果が期待できる可能性が示唆された。
ノート
連載講座
放射線治療
  • 秋元 哲夫
    2012 年 61 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/01/27
    ジャーナル オープンアクセス
    放射線治療は頭頸部癌や食道癌などの多くの疾患に対する根治的治療として幅広く行われているが,放射線治療単独では十分な局所制御が得られない場合も少なくない。そのため,放射線治療の効果を増強することを目的に抗がん剤を放射線治療に併用する化学放射線療法が試みられ,局所進行頭頸部癌,食道癌及び肺癌などでは放射線治療単独に比較して化学放射線療法が治療成績向上に有効であることが明らかとなっている。更に近年ではがん細胞の特定の分子やシグナルなどを標的にして腫瘍の増殖や悪性度を低下させる分子標的治療薬が開発され,これまでの抗がん剤よりがん特異性の高い効果が期待されている。本稿では,放射線治療と抗がん剤や分子標的治療薬併用による効果増強の基礎や臨床応用の現状について,文献や臨床試験などの報告を中心に解説を加える。
  • 大西 洋, 佐野 尚樹, 栗山 健吾, 小宮山 貴史, 萬利 乃寛, 荒屋 正幸, 青木 真一, 斉藤 亮, 前畠 良康, 冨永 理人, 大 ...
    2012 年 61 巻 1 号 p. 31-43
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/01/27
    ジャーナル オープンアクセス
    定位放射線治療は,「小腫瘍に対して高精度に短期で3次元的に集中的大線量を投与する」と定義され,「切らずに治す」ことが可能となった。体幹部定位照射は,(1)1990年代半ばから急速に発展した照射装置の進歩,(2)固定精度の向上,(3)画像誘導技術,(4)呼吸性移動対策などによって,周囲臓器への危険を回避しながら腫瘍への投与線量を上げることが可能になり実現した。定位放射線治療は頭蓋内では約40年の歴史があるが,体幹部病変は固定法・呼吸性移動・線量計算の問題点によりまだ15年程度の経験しかない。それにもかかわらず,小型の肺癌・肺転移・肝腫瘍を中心に安全性と有効性について定位放射線治療の多くの臨床経験が積まれつつあり,特にもっとも治療経験が蓄積されているI期肺癌では,エビデンス度は高くないものの手術と遜色ない成績も報告されている。本稿では,体幹部定位放射線治療について概説し,なぜ「手術に匹敵する可能性があるのか」について考察した。
  • 幡野 和男
    2012 年 61 巻 1 号 p. 45-55
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/01/27
    ジャーナル オープンアクセス
    IMRTは腫瘍に高線量を,周囲正常組織に低線量の照射を可能とする照射法である。日本で臨床応用が開始されたのは2000年であり,中枢神経系腫瘍,頭頸部腫瘍,前立腺癌に対して、主として行われてきたが,2010年4月から全ての限局性固形腫瘍に対して保険適応となった。GBMでは局所制御率改善が得られ,頭頸部腫瘍においては耳下腺への照射線量減少から唾液分泌障害の軽減が得られた。また,前立腺癌においては晩期有害事象である直腸出血の頻度減少が可能となった。こうしたことから今後更に治療件数が増加していくと予測される。
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