RADIOISOTOPES
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58 巻 , 12 号
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原著
  • 菊地 正博, HUSSAIN Mohammad S., 森下 憲雄, 鵜飼 光子, 下山 雄平, 小林 泰彦
    2009 年 58 巻 12 号 p. 789-797
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/29
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文では,電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,照射により生マンゴー果肉と果皮に誘起されたラジカルを凍結乾燥後に検出できたので報告する。
    フィリピン産の生マンゴーをγ線照射し,その凍結乾燥粉末をESR装置で測定した。マンゴー検体のスペクトルではg=2.004を中心とする鋭い1本線のメインピークと一対のサイドピークが検出された。果肉・果皮で測定されたメインピークは照射後数日で減衰したが,一対のサイドピークは照射9日後でも線量依存性を示した。
    本サイドピークを利用することで,ESR法は生マンゴーなど生鮮果実の検知に適用できることが示唆された。
ノート
  • 鵜飼 光子, 亀谷 宏美, 今村 太郎, 宮ノ下 明大, 等々力 節子, 下山 雄平
    2009 年 58 巻 12 号 p. 799-806
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/29
    ジャーナル オープンアクセス
    電子スピン共鳴(ESR)法を用い照射害虫の計測を行った。コクゾウムシ(Sitophilus zeamais Motschulsky),コクヌストモドキ(Tribolium castaneum),ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella),タバコシバンムシ(Lasioderma serricone)である。ESR信号はg=2の1本線と,この1本線と同じg値を中心とした6本線であった。1本線の信号は有機フリーラジカル信号由来である。6本線の信号はMn2+の超微細構造線による。照射処理により新規信号は発現しなかった。照射誘導ラジカルの緩和時間(T1とT2)は照射処理前後で変化しなかった。
  • 反町 篤行, KRANROD Chutima, 床次 眞司, 石川 徹夫, 細田 正洋, JANIK Miroslaw, 新垣 玲奈, 古川 ...
    2009 年 58 巻 12 号 p. 807-813
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/29
    ジャーナル オープンアクセス
    我が国で行われた全国調査で,室内における高ラドン濃度が観測された沖縄県読谷村において室内ラドン濃度に関する調査を行った。測定は寝室,居間,屋外において行われた。一階の寝室において,観測期間中の平均ラドン濃度は約400Bq m-3であり,我が国の平均室内ラドン濃度(15.5Bq m-3)よりも非常に大きい値であった。また,明確な日内変動及び室内ラドン濃度の空間分布が観測された。
  • 宮原 誠, 廣庭 隆行, 増水 章季, 原 英之, 岡野 和史, 武川 哲也, 須永 博美
    2009 年 58 巻 12 号 p. 815-823
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/29
    ジャーナル オープンアクセス
    北海道士幌町にあるばれいしょの照射施設は30年以上に渡り,フリッケ線量計で線量管理を行ってきた。このシステムは,自家製であるために測定値に個体差が生じる可能性がある。一方,現在広く使用されているアラニン線量計システムは現在市販されている。本研究ではこのアラニン線量計システムがフリッケ線量計システムと同様に適用できるか否かを確かめる目的で,実際にばれいしょの照射コンテナにおける表面線量分布を測定した。具体的には営業運転中の2009年1月にメークイン,3月に男爵を用いて,照射を実施した。本実験の結果,表面の均一性は1.08(最大線量は149.1Gy,最小線量は137.3Gy)であった。最大線量を与える領域はコンテナの端から水平方向に80cmにある垂直線上にあって,上端から20cm~60cmの範囲にあった。これらの線量分布は設計仕様概念にほぼ一致しており,フリッケ線量計を用いて,30年以上この設計仕様に合致して線量管理されてきた施設であることから,このアラニン線量計システムはフリッケ線量計システムと同等の線量分布測定システムとして適用できると考えられた。
技術報告
  • 山田 純也, 横山 知則, 小池 裕一, 下 道國
    2009 年 58 巻 12 号 p. 825-830
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/29
    ジャーナル オープンアクセス
    NaI(Tl)シンチレーション・スペクトロメータの温度依存性について検討した。恒温槽を利用して,測定器の使用温度範囲内で温度を変化させ,環境放射線の測定を行った。その後,それぞれの温度における40K及び208Tlのピークチャンネル値を調べた。その結果,波高分布は温度によりドリフトすることを確認した。次に,この依存性の実際の影響を検討するために,環境中で測定を行った。温度変化に起因したエネルギー分解能の低下がおこり,日常的な使用でも十分問題となりうることがわかった。最後に,この影響を回避できない場合,簡単な補正法を適用することでこの問題を解決できることを示した。
資料
  • 吉田 栄充, 三宅 定明, 浦辺 研一
    2009 年 58 巻 12 号 p. 831-836
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/29
    ジャーナル オープンアクセス
    γ線スペクトロメトリーを用いて,埼玉県内に流通しているハーブティーの放射能調査(134Cs,137Cs及び40K)を行った。134Csは49検体全て不検出であったが,137Csは10検体から検出され(2.1~240Bq/kg乾),それらは全てヨーロッパ産であった。また,40Kは全検体から99.9~1400Bq/kg乾検出された。
    137Csについては,アイブライトでポーランド産とブルガリア産で大きく濃度が異なり,明らかな地域差が見られた。また今回の調査により,成人が1年間ハーブティーを1日1杯ずつ飲み続けたときの137Csの預託実効線量を求めると約1.0×10-3mSvとなり,通常のハーブティーの摂取においては,137Csの被ばく線量の寄与は非常に少ないものと考えられた。
講座
医療用PET薬剤
  • 野守 裕明
    2009 年 58 巻 12 号 p. 837-846
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/29
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:18F-Fluorodeoxyglucose(FDG)を用いたpositron emission tomography(PET)はしばしば低悪性度の腫瘍に陰性を示す。一方,11C-Acetate(AC)を用いたPETはFDG-PET陰性の高分化肺腺癌,前立腺癌,高分化肝細胞癌に陽性を示すことが知られている。筆者は最近非小細胞肺癌の描出と腺癌の悪性度予測に対するAC-PETの有用性をFDG-PETと比較検討したので,それを紹介する。
    方法:多施設共同研究にて原発性非小細胞腺癌227例,良性肺病変56例に対して,術前にAC-PET及びFDG-PETを施行した。良悪性を鑑別する感度と特異度,腺癌の悪性度を評価する有用性をACとFDGの間で比較した。また腺癌における腫瘍内脈管浸潤及び胸膜浸潤の有無におけるAC及びFDG集積度を比較した。Standard uptake value(SUV)の測定は肺病変に対しては対側肺と病変の集積度の比(SUV-CR)を用いた。
    結果:非小細胞肺癌に対する感度はACでは0.71,FDGでは0.57であり,ACはFDGより有意に感度が高かった(p<0.001)。特異度には両者間に差はなかった。非小細胞肺癌のうち,146例の高分化腺癌においてはACの感度(0.62)はFDGの感度(0.37)より有意に高かった(p<0.001)。しかし51例の中低分化腺癌及び30例の非腺癌においては両者間に感度の差はなかった。169例の臨床病期IA期(3cm以下,リンパ節及び遠隔転移無し)の腺癌において腫瘍内の脈管・胸膜浸潤の陽性症例は陰性症例よりFDG集積度が高かったが(p=0.04-<0.001),AC集積度はそれら浸潤所見の有無において有意差はなかった。
    結語:非小細胞肺癌の診断において中低分化腺癌及び非腺癌の描出においてはACとFDGは同等であるが,高分化肺腺癌の診断においてACはFDGより有用である。また腺癌の腫瘍浸潤度の予測においてACは有用でなく,FDGに劣る。
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