降水中の超微量ウランの直接分析に二重収束型高分解能ICP-MSと超音波ネブライザーを組み合わせた分析法を適用した。
全ウラン濃度が0.01ngU/l-1ngU/lのレベルでも
235Uと
238Uの定量ならびに同位体存在比の測定がともに簡易迅速 (5分/試料) に, かつ, 比較的精度よく (RSD約5%) 測定することができた。
茨城県と東京都で1992年から1993年に集めた降水23試料のウラン濃度の算術平均値と加重平均値は, それぞれ3.3ngU/lおよび1.7ngU/lであり, その濃度範囲は0.03ngU/l-14.2ngU/lに及んだ。降水中のウラン濃度 (
Y) と降水強度 (
X) 間には
Y=aX-nの式で示される関係が成立した。降水中の
235Uと
238Uの存在比はそれらの天然存在比に一致した。
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