陽イオン交換樹脂ダイヤイオンSK#1のH形, Li形, Mn形, Cd形, Pb形の風乾状態かまたは水につけたものと陰イオン交換樹脂ダイヤイオンSA#100のI形, BO
3形の風乾状態のものをTRIGA-II型原子炉の水平実験孔にて出力100kWで照射し, その交換容量の減少をもとめ,
60Co-γ線による場合と比較検討した。その結果H形, Mn形, I形の樹脂は
60Co-γ線照射と原子炉照射の場合を比較すると, 同じ照射線量にたいしてほぼ同じ交換容量の減少を示した。原子炉にて3.3×10
8r照射したときのH形, Mn形, I形樹脂のそれらの値はそれぞれ13.5, 10.8, 27.6%であった。カドミウムのような熱中性子との反応断面積のかなり大きなものや, リチウム, ホウ素のような熱中性子との反応断面積が大きく核反応の結果α粒子などを放出する元素を吸着したCd形, Li形, BO
3形の樹脂は原子炉照射の場合損傷が大きかった。原子炉にて3.3×10
8r照射したときのCd形, Li形, BO
3形樹脂の交換容量の減少はそれぞれ18.0, 33.8, 43.8%であった。また, 原子炉照射による樹脂の放射線損傷は
60Co-γ線による場合と同様に乾燥状態のものより水とか3
N酢酸につけたもののほうが大きかった。
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