中性子測定器の校正に使用される
252Cf標準中性子線源は, ステンレス鋼の二重構造からなるカプセルに
252Cfが封じられている。
252Cfそのものから放出される中性子のフルエンス分布は等方であるが, 実際には, 線源カプセルのほか, 線源ハンドリング用の金属製ホルダ等との散乱によって, その分布に歪みが生じる。そこで, 核燃料サイクル開発機構東海事業所計測機器校正施設の
252Cf中性子校正場について, 線源カプセル (X1カプセル) の構造, 線源ホルダ及び照射装置等の線源周辺構造を模擬したモンテカルロ計算によって, この影響を評価し, 検証実験により確認した。その結果, 中性子測定器の設置方向における非等方性を1.11±2% (k=2) と算出した。また, 散乱による
252Cf自発核分裂中性子スペクトルの変化によるフルエンス-周辺線量当量換算係数への影響も評価し, 国際規格ISO8529-3の勧告値との違いについて議論した。
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