H
2OとD
2Oの純成分吸着等温線を用いてコバルト錯体 [Co (en)
3] Cl
3への (微量) HTO/H
2Oの2成分吸着における同位体分離係数を理想吸着溶液理論に従って解析した。本錯体への水の吸着等温線は錯体結晶内水分子一次配位サイトと二次配位サイトをそれぞれ吸着場とする二つの吸着挙動に起因した複合特性を表しているということがすでにわかっている。分離係数βは二つのプラトーを示し, 高いプラトーはプラトー平衡圧を呈する一次吸着域, 低いプラトーは平衡圧が飽和蒸気圧に向かって上昇する二次吸着域に対応している。高プラトーβはH
2OのHTOに対する比揮発度αより大きな値, 低プラトーβはαより小さな値をとる。これらプラトーβの各温度における値を推算する近似式を報告する。
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