RADIOISOTOPES
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57 巻 , 11 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
原著
  • 飯田 治三, 鎌田 貴志, 渡井 勝範, 天野 豁, 白川 芳幸
    原稿種別: 原著
    2008 年 57 巻 11 号 p. 669-677
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    原子力事故,あるいは放射線事故の時,サーベイメータは表面汚染の検査に必須の検出器である。同時に放射線施設の日常管理に使われる代表的な装置である。表面汚染に用いられるサーベイメータは計数率(min-1)を求めるものである。通常,時定数が10秒の時,1箇所あたりの測定には約30秒,より正確な測定には60秒程度の時間が必要である。緊急時,あるいは日常管理においても多数の箇所を測定するためには多くの時間を必要とし,作業者に重労働を強いることになる。また緊急時には迅速な測定が必要である。この課題を解決するために,静止時,移動時を問わず最終応答を待たずに応答初期の段階で最終値を予測する方法をこれまで原理的に検証してきた。本論文では限界性能の検証の観点と同時に実運用を想定して原子力発電所における管理区域外持ち出し管理レベルである60Coで0.8Bq/cm2の汚染が予測可能かを実験により確かめ,良好な成績を得ることができた。
  • 橋本 哲夫, 石山 央存, 伊藤 成樹
    原稿種別: 原著
    2008 年 57 巻 11 号 p. 679-694
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    放射線検出にフォスフィッチ型のα-β線弁別測定器を用い,α線とβ線由来のパルスを1μsの時間分解能を有する迅速パルス時間間隔解析システムに導入し,パルス発生時間を多重時間間隔解析(MTA)法で処理した。この解析システムではPC画面上でα線やβ線の計数率変化とともにβ-α連続壊変相関事象をパルス時間間隔分布(TIA)スペクトルとしてオンラインで観測が可能となった。ウラン析出薄膜,ウラン鉱物粉末,α線をカットした226Raからなる3線源の測定からは,α線とβ線の計数率とも常に一定値を示すトレンドグラフが得られた。大気塵埃を捕集しつつ本迅速パルス時間間隔解析法を適用したところ,塵埃に付着した222Rnの子孫核種由来のα線とβ線の計数率は明らかな捕集時間依存性を有するトレンドグラフを示しており,TIAスペクトルからは214Bi(β)→214Po(α)→連続壊変に由来するβ-α相関事象を164μsのα壊変の半減期により確認できた。
    塵埃捕集装置とα/β弁別放射線検出器と組み合わせた本迅速パルス解析システムからのオンライン情報として,相関事象率(nαβ),α線計数率(nα)とβ計数率(nβ)がリアルタイムで得られる。これらの情報に基づき,核種混入検知パラメータRα又はRβ[=(nα or nβ)*(nα+nβ)/nαβ]を得た。塵埃を捕集しつつウランや226Ra線源を挿入し,これらのパラメータの変動を調査した。その結果,自然放射性核種に起因するバックグラウンドの影響下でも,極微量な人工α放射性核種の混入(数%程度以下)を迅速に検知できることがわかった。本システム構成を核燃料再処理施設や原子力関連施設の排気箇所でのオンラインRI(特にα放射性核種)混入(漏洩)の高感度自動検知のシステムとしての利用を提案する。
ノート
  • 駱 志平, 馬 吉増, 劉 立業, 陳 宝唯, 飯本 武志, 小佐古 敏荘
    原稿種別: ノート
    2008 年 57 巻 11 号 p. 695-701
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    気体シンチレーション式比例計数管の試作機を製作し,性能試験を実施した。キセノンが封入されたこの検出器には,高いエネルギー分解能,大きな検出器,位置検出の可能性,などが期待されている。低エネルギー光子の測定に向いているが,中性子や重粒子への応用も視野に入る検出器である。241Am及び55Feによる初期性能試験によれば,現時点では,設計どおりの高い性能を得るには至っていないが,導入された検出手法のコンセプトについては実現化の見込みが立った。
技術報告
  • 河野 孝央
    原稿種別: 技術報告
    2008 年 57 巻 11 号 p. 703-708
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    自然放射能を含む材料を用いてディスク状の放射線源を製作する方法が開発された。この圧縮成型法では,微粉化した材料をステンレス型枠に入れ,圧縮することによって固形ディスクに成型する。この方法を市販されている化学肥料に適用して,教育用放射線源を製作した。用いた化学肥料には天然核種である40Kが含まれており,放射線崩壊ごとにγ線かβ線が放出される。こうして製作された11個の線源を調べることによって方法を評価した。更にカリウム肥料線源の教材としての適用性を評価した。
    その結果,この方法で線源を製作する場合,特別の技術や技能は不要であることがわかった。またカリウム肥料線源は,逆二乗の法則が線源と検出器の間の距離に適用されることや,遮へい体の厚さと遮へい効果の間になりたつ指数関数的な関係を説明する実験に利用できることがわかった。これらの結果より,カリウム肥料線源は,放射線教育や体験学習の教材として適していることがわかった。
総説
  • 平尾 良光
    原稿種別: 総説
    2008 年 57 巻 11 号 p. 709-721
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    大分県大分市の16世紀末における大友氏の遺跡から発掘された鉛や青銅製品に関して,材料産地の推定という研究のために鉛同位体比法が応用された。これらの資料の中でいくつかは中国,朝鮮半島,日本などの東アジア産の材料とは大きく異なった鉛同位体比を示した。この鉛同位体比は16,17世紀の長崎県の原城遺跡,熊本県の田中城址からの資料,韓国6世紀の武寧王陵からの資料にも見いだされた。また,この特別な鉛は1~5世紀頃のカンボジア,プンスナイ遺跡からも検出された。
    地域が異なり,時期が違うこれら資料に関する鉛同位体比の一致は偶然かもしれない。しかし,この地域における一つの鉛鉱山産材料の流通や交流として説明できるかもしれない。一つの推論は次のようである。すなわち,東南アジアでは前400年以降に青銅やガラス製作技術が発達した。5,6世紀に製造されたガラス製品が中国の海岸線をたどり,韓国までもたらされた。その後,16,17世紀になって,ヨーロッパ人が東南アジアに寄港し,日本へ持って行くために鉛,火薬,その他の物資を調達した。
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