RADIOISOTOPES
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61 巻, 6 号
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原著
ノート
  • 柚木 俊二, 斎藤 正明, 永川 栄泰
    2012 年 61 巻 6 号 p. 307-313
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/29
    ジャーナル オープンアクセス
    排煙に含まれるCO2の加速器質量分析(AMS)から燃料のバイオ炭素比を求めるにあたり,大気中14CO2の影響を調べた。バイオエタノール,化石由来n-ヘキサン,及びそれらの混合燃料を4ストロークエンジンで燃焼し,排気ガスからCO2を捕集してAMS測定を行った。バイオ炭素比3.18%の試料において,大気中の14CO2の寄与を考慮しないASTM D6866法によるバイオ炭素比の計測値は理論値の1.2倍となった。この見積値の違いは,膨大な炭素量を算定する排出権取引に際しては無視できない。大気中の14CO2の寄与分を補正することでバイオ炭素比の計測値は理論値に近づいた。試料のバイオ燃料混合比が高くなるにつれてバイオ炭素比の計測値は理論値に収束し,大気中14CO2の影響は小さくなった。バイオ燃料混合率の低い燃料からの排煙を分析する場合,大気中14CO2の混入によるバイオ炭素比の増加は無視できない。
  • 佐藤 薫, 真辺 健太郎, 遠藤 章
    2012 年 61 巻 6 号 p. 315-320
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/29
    ジャーナル オープンアクセス
    日本原子力研究開発機構(原子力機構)において新たに開発された平均的成人日本人男性(JM-103)及び女性(JF-103)のボクセルファントムは,体格及び臓器質量について成人日本人の平均的特性を有する。加えて,JM-103及びJF-103では,国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年基本勧告において組織加重係数が与えられている臓器,組織がモデル化されている。本研究では,JM-103及びJF-103の光子比吸収割合の特性を検討するため,これらのファントムにおける甲状腺,胃壁,肺,リンパ節の比吸収割合を計算し,個人の医療画像を基に開発された他の成人日本人ファントムの値と比較した。その結果,JM-103及びJF-103と他のファントムの比吸収割合の間には,多くのケースにおいて数十%程度の差があった。これらの差は,主に臓器,組織,内容物の質量の違いに起因していた。それゆえ,JM-103及びJF-103の光子比吸収割合は,成人日本人に対する平均的な値であり,これらのファントムは,2007年基本勧告に基づいた,代表的な成人日本人に対する線量評価に利用できると考えられる。
速報
総説
連載講座
パルス中性子源を用いた新しいイメージング
  • 池田 裕二郎
    2012 年 61 巻 6 号 p. 343-351
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/29
    ジャーナル オープンアクセス
    2008年12月に稼働を開始した大強度陽子加速器施設J-PARCを概観するとともに,主要な利用実験施設である中性子源について紹介する。J-PARCパルス中性子源の先進概念を強調しながら,特徴的な中性子性能とその性能を最大に発揮できる実験装置の整備状況に加え,最近の成果の例を報告する。また,東日本大震災までの施設稼働状況とともに,震災からの復旧の取り組みと今後の施設稼働に向けた計画を紹介する。さらに,共用開始から2年の実際の利用経験とともに,最終目標パワーへの道筋を述べる。
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